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amazonロゴを見て、企画について考えた


知ってる人にとっては今更の話だと思いますが、 amazonロゴ下のスマイルは、a と zをつなぐ矢印で、 すなわち「a to z まで何でも揃っている」という意味があるようです。 (僕はつい最近、はっとそれに気付きました。。)

この矢印をスマイルの口に見立てるデザイン、 言葉に頼らずとも世界中の人がすぐに意味を理解でき、 企業名がなくともこのマークを見るだけでamazonだと分かるくらいすっかり浸透している とてもすごい発明だと思います。

あらためて国内のEC小売大手や物流大手のロゴをいくつか見てみると、 各社の理念や培ってきた伝統を込めたデザインで、 マークとしての完成度はとても高いのですが、文字や具体的な絵などに依る部分が大きく、 国内では文化が共有できているので通用したとしても、 海外では国や文化によって意味や解釈の違いがどうしても出てきそうです。 (国内をメインに展開してる企業なので、それが悪いわけではないですが)

ひるがえってamazonのロゴは、笑顔の口元(届けるという意味ともしっかりリンクしてる)という どの国や文化の人が見ても間違った解釈のしようのないもので、 そのシンプルな完成度の高さに、さすが世界一のグローバル企業だなとあらためて思います。 しかも1994年の創業から約5年後には、すでにこのロゴにたどり着いているという点で、 本当に早い段階から国や文化を超えた展開を見越していたという、 企業の目指していた目標の明確さにも驚かされます。

僕らは日々、企画という言葉を口にしますが、 本当の企画というのはこういった、企業が一番伝えたいメッセージを、 いかに分かりやすく、間違いの起きないように一般の人たちまで届けるかを「考える」ことであって そこをつねに意識する必要があると思います。 ついつい「企画」=「(立派な)企画書」とか「目新しさ」とか思いがちですが そこは本質的なところではないと思っています。

特に僕らデザイナーは絵を作るなかで、 つい美しさや完成度を上げることに力を注いでしまいがちですが(それもとても大事だけど) 本質としては、企業と一般の人たちをつなぐコミュニケーションを考える中での、 「ビジュアル部分を担う企画者」であるということを忘れずに 単なる「絵作り屋さん」にならないよう、常に意識していこうと思っています。

M.Y