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花、アフターコロナ、消費者ニーズについて

3年近く続いたコロナ禍で、たとえば楽器や、観賞魚を育てるなど、
家の中でできる趣味の需要がいろいろ伸びた中で、
個人用に切り花を購入し、部屋を手軽に飾るという人も増えたそうです。

その切り花ですが、最近は初めから短めに切られた花束として売られているものが多く、
あとから茎を切って長さを調整するという手間をかけず、
買ったそのままでフラワーベースなどに飾ることができるものがよく売れているそうです。

自分も子供のころ、母親が買ってきた切り花の茎部分を台所で短く切ってから
花瓶にさしていたのを見ていた記憶があり、
花を飾るとはそういうもので、なんならちょっと手間のかかるものかと思っていましたが、
そんな習慣もコロナ禍の中でカジュアルに変わっていったようです。

実は、花の茎が長いまま売られていたのは、
花の卸業界でのルールとして、主に見た目の理由で長さやサイズが細かく規定されており、
何センチ以上何センチ以下という規格に合わないものは、
輸送の際の箱のサイズに合わないなど、物流の都合で商品にならず、
廃棄されていたらしいのですが、短い切り花の需要が増えたことで、
サイズや輸送の際の規格そのものを見直し、
今までは廃棄されていたような花も扱えるようになったうえ、
しかも短いままで出荷できるので花の育成にかかる時間も短くなり、
コロナ禍でイベントやブライダル需要などが減ってマーケット自体が落ち込んだ花業界も、
個人消費にとても期待をかけているそうです。

今、誰がどんなものを欲しがっているかという消費者のニーズを考えてみると、
今までは当たり前だと思っていたルールや習慣をちょっと見直すだけで、
効率よく物事が進められたり、あらたな機会の創出につながるなど、
特にコロナ禍でいろんな意識が変わった今だからこそあるかもしれない、と思いました。

S.Y