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店頭とECの違いから見た商品開発


以前、メーカー新商品開発プロジェクトに参加させていただき 今までに全くなかったスッキリとした機能/情緒価値を持つ商品であることを大前提に 膨大なデザイン案の中から消費者調査を繰り返し 本販売に向けて絞っていく作業を行いました。   その際に向き合うことになった大きな問題は、 「スッキリとしたいけどスッキリとしてると店頭で目立たない。」 「今までなかったデザイン等にすると、  そのカテゴリーの商品として認識されない」という問題でした。  
スッキリさせて新奇性を強調すると購入者が手に取った時の デザインに対する好感度や購入意向のポイントはグンと上がりますが、 情報がひしめき合っている生活雑貨売り場を想定した店頭陳列でのシミュレーションでは 「気づかれない。見つけられない。そのカテゴリー商品だと認識されない。」 といった問題が必ずおこります。

一つの商品としての魅力をしっかり担保しつつ 雑踏のような売り場の中で埋没しない商品開発はかなり難易度が高いですし 時間軸としても、買う前も買った後も(さらにはもう一度買うときも) 魅力的であり続ける商品であることの難しさを実感しました。 (この一見相反する要素を両立した名作も、もちろん世の中にはありますが   ちょっと前にはなりますが LOHACO(ロハコ)のEC専用商品開発の取り組みのお話を聞きに行きました。 ご存知の方も多いとは思いますが、 LOHACOECマーケティングラボ」という取り組みのもとに生まれた ムーギーというEC向けの大ヒット商品の開発のお話がとても興味深いものでした。 リアル店舗では商品の真横に競合商品が存在し 狭い売り場を取り合っている状況下で 「いかに手に取ってもらうか」といった 目立つパッケージデザインにする必要がありますが ECの場合、あえてそうする必要がなく、 あくまでも消費者視点に基づき 購入後の「暮らしになじむ」パッケージとして販売することが可能なため 買ったとにちょうど良いデザインや 気分に合わせて選べる複数の柄や色を採用したりすることができ そういった新しい視点がとても興味深く感じました。   お客様と商品との接点が多様化した昨今 その接点の特性をリアルに理解し追及するための 知識と想像力と工夫が求められるだと感じました。

T.Y