
ニッチャーだからできる商品開発
セブンイレブン限定で発売されているポテトチップス。
単色で、真ん中に「メラメラ。」「 ツーンピリ。」など、
一言文字が書いてあるだけのパッケージが最近店頭に並んでいますよね。
それらは「わさビーフ」で知られる、
ポテトチップスシェア業界第3位の山芳製菓(ヤマヨシ)の商品です。
「好きなポテトチップスの味」をアンケート調査すると、
たいていは「コンソメ」「塩」「のり塩」が上位に来るそうです。
しかし、ヤマヨシでは、あえてこの3つの味は出していません。大手と
同じものを出しても、コンビニやスーパーの 限りある菓子棚に
置かれる可能性は極めて低いからです。
ならば、むしろ大手の企画会議ではボツになってしまうような
「とがった商品」をあえて出す。
それが業界3位以下が生き残るための戦略だといいます。
その結果、
・コーヒー味
・キャビア味
・温泉たまご味
・いかの塩辛味
・クリームソーダ味
・(冷やして食べる)塩あずき味
などのフレーバーの商品が過去に発売されました。
一見奇をてらった受け狙いのようにも見えますが、
実はそこには、
①「自らのコンセプト」は何か。
②「自らのお客様」は誰か。
③「自らの手で次に作るべき商品」は何か。
を考え抜き、導き出した、
「大手と同じ土俵で戦っても勝てない。
うちの商品は、『おいしい』より『楽しい』を目指す」
というモットーのもと、
大手にはできない商品開発をしているようです。
それは大々的に広告展開できないことも踏まえ、
口コミやSNSでの拡散も視野に入れたものです。
市場シェアで言ったら5%程度。
店頭にもなかなか並んでいないことがほとんど。
フォロワーさんたちはそのこともよくわかっていて、
見つけたら、それをわざわざ写真に撮って、
こんなもの売ってたよ!買ったよ!食べたよ!といった感じで、
ツイッターに投稿して教えたりしてくれる。
次はどんなものを出してくるかと楽しみで
期待するファンにも支えられた、そんな商品開発の仕方でした。
M.Y