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循環型パッケージのしくみと体験のデザイン

消費者との接点が多様化した今、パッケージデザインも

EC型のパッケージ、個別ECモール限定パッケージ、

コラボ、脱プラスティック意識の高まり、AIによる購入意向調査や開発など

細分化や変化が求められています。


中でも

近年のパッケージに対する環境意識の高まりは、かなり大きな

流れになっているようで良くニュースを見聞きするようになりました。

それによると

「平均的なアメリカ人が年間に排出する廃棄物の量はおよそ680Kg」もあり、

「そのうちの「69%」がパッケージで占められている」とのこと。

さらに

「一般的な生活者が体内に取り込む残留プラスティックは

1週間にクレジットカード1枚分!!!」

という記事を読んで大きな衝撃的を受けました。


特に日用品カテゴリーのパッケージにおけるプラスティック素材への依存度は高く

今後の対応策が注目を集めています。


そんな中

アメリカのテラサイクルというスタートアップ企業がはじめたのが

「Loop(ループ)」というサービス。

ループは使用済みのパッケージを回収・洗浄・詰め替え・再利用する

世界規模の循環型デリバリーショッピングのソリューションで

わかりやすく言うと「牛乳屋さんサービス」です。


P&Gやネスレ、ペプシコ、マース、ハーゲンダッツ、ユニリーバ、コカコーラ

といった名だたる消費者製品企業が参加をしています。

アイスクリームやシャンプー、洗剤、シェイバーやオムツや生理用品までもが、

使用が済んだ状態でを消費者の自宅から回収され、リサイクルや再利用されます。


この取り組みで特に注目したのが、パッケージのデザイン性の高さです。


ひと昔前なら、リサイクルの材質で作られたパッケージは

質素な外観から一目でリサイクル品だと分かり、魅力的なものではなかったし

使用用途も限られていましたが

ループに採用されている循環型のパッケージは

数千万円をかけて開発されたもので

ステンレスやアルミやガラスといった美しく耐久性のある素材を使い

デザイン性が高く高級感、上質感もあります。


ただ環境に良いだけの仕組みでは結局目新しさだけに終わって

継続性のないものになってしまう可能性もありますが

このループのパッケージはUXが巧みにデザインされた

ブランド価値を向上させるものと感じました。


世の中の変化に対応しただ買ってもらう為だけではなく

買い続けてもらう、使い続けてもらうための

「しくみと体験のデザイン」という発想に大変興味を感じました。

引き続き、ウォッチしていきたいと思います。


T.Y