世界的な超定番フォントのリニューアルについて
Helvetica(ヘルベチカ)1957年にスイスで誕生(当初は別名称)。1961年にこの名に改称された後世界的に広がり、使われるようになって以来、現代でも「世界で最も使用されているフォントのひとつ」とされ、「まるで水のような存在」とまで言われるほどに、我々の暮らしに完全に根付いているド定番のフォント。例えば、NYの地下鉄駅構内の案内板で使われていたり、誰でも知っているようなグローバル企業やブランドのロゴでも使用されていたりされています。我々の普段の仕事の中でもよく登場しますし、Macにはデフォルトで入っていたりもするので知っている・その名に覚えがある人もいらっしゃるかもしれません。そんな、広く愛され続けてきた長い歴史をもつ王者のようなこのフォントがつい最近、30年以上ぶりのリニューアルが施された新ファミリー「Helvetica Now」をリリース!ということで(デザイン界隈だけの局地的な話かもしれませんが 笑)話題になりました。その昔、当時の主な用途だった活版印刷のために生まれたのを起源とするHelvetica。デジタル化の波が起き始めた’80年代、そのニーズに対応するためのリニューアルが行われて以来は現在まで変わることなく使用され続けてきていました。しかしその一方でテクノロジーは目覚ましく進化し、人々の生活もメディアもデバイスも変化・多様化。伴ってフォントというものへのニーズや利便性にも変化が起きてきました。例えば、Apple Watchのようなウェアラブル・デバイスの小さなディスプレイにおける可読性であったり、多様なデジタル・フォーマットでの互換性であったり。(GoogleやAppleがHelveticaを使用していたのを中止し、自社開発のフォントに切り替えたのもそういった背景があるのではないかという話。)今回のリニューアルでは、今尚広く愛されるその良さ・キャラクター性は変えずに残しながら、細部のリファインを施すことで、現代化・最適化したものにアップデートされているそう。デジタルフォーマットでの様々な使用にも最適に対応しながら、従来のような印刷等の使用でもより美しく見栄えのする書体に磨き上げられているとのこと。時代の変化にアジャストしたこのリニューアルによりきっと、今後も最前線で長く愛され続けていくフォントになったのではないかな、と思います。・・・という話を通して、思ったことがふたつ。
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